「塩谷哲トリオ ライブ 2014」Spiritual

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【Spiritual】(Charlie Haden)

2014年7月に他界されたジャズ・ベーシストのチャーリー・ヘイデンさんを追悼して。このトリオライブのリハーサル中に知らせが入ってきた。

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前に出てきて目立つタイプの人ではなかったが、音の深さ、優しさ、暖かさが感じられて、彼との共演を希望するアーティストが多かった。

「Spiritual」はパット・メセニーとの作品で、朴訥でシンプルだけど大きい曲。
(以上、MCから。私は勉強不足で詳しく知りませんでした)

弾くたびに毎回グッときていた、とソルトさん。それが十分にわかる、心のこもった演奏だった。

ピアノのイントロから静かに始まる。このイントロは曲全体を通してゆったりと流れていて(従ってイントロと言うべきではないかもしれない。伴奏?)確かにシンプルだけどみんなを大きく包み込んでいた。

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ベースのメロディーが入る。切なさや愁いを含んだ音で時がゆっくり流れる。山木さんのブラシ、ピアノもゆっくりと。

引き継ぐようにピアノで再びメロディ。素朴な音。大きく空けながら「ボン」と鳴るベース。優しいブラシ。

ベースの演奏、ピアノの演奏へと続く。テンポは変わらない。でも熟成されてきたものが次第に日の光を浴びるような広がり、控えめだけど熱い情感、うまく書けないがそのようなものがしっかりと伝わってきて、息を飲んでしまう。

そして、ゆっくりと、ゆっくりと、眠りにつくようにエンディング。

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東京でのツアー最終セットでは、会場は始まるときから水を打ったようにシーンと静まりかえり、全員が引き込まれて聴いていた。そうさせてしまう名演だった。かすかな音も、かすかであるがゆえに心に響いてきた。

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