「小林大作のメモリーズ・オブ・ユー 公開録音2011」
日時:2011年2月25日(金)17:31~20:26(休憩20分)
会場:大阪・シンフォニーホール
出演:ペギー葉山、伊東ゆかり、細川綾子、塩谷哲、小栗純一、秋満義孝セクステット(秋満義孝、朝本吉哲、二本柳守、村石篤重、松崎雄一、近藤淳)、小林大作、桶村久美子
全体の演奏曲目は上記のプログラムをクリックしてご覧ください。
ソルトさんの演奏は
<第1部>
●「Someday My Prince Will Come」(いつか王子様が)
<第2部>
●「All The Things You Are」
●「Preciousness」
●「Ladies In Mercedes」
<アンコール>
●「On Green Dolphin Street」
●「朧月夜」
5曲はいずれもソロピアノで、ミュージシャンとのコラボはありませんでした。
「朧月夜」は最後に全員で歌いました。
言うなれば「Saltish Night」における「星の夜」です。(パート分けはなかったですが)
ソルトさんも登場してピアノには座らずに歌っていました(聞き取れなかったけど歌っていたはずです)
私にとって2011年の初生ソルトでした。
「メモリーズ・オブ・ユー」というラジオ番組は大阪の朝日放送で30年続いている人気番組。
タイトルから連想される通り、みんなの思い出に残る懐かしい曲をかける番組です。
私は番組のことは知っていましたが、チラッと聞いたことがある程度です。(野球中継の後とかに)
余談ですが、私の中では「メモリーズ・オブ・ユー」というと前任者の安達治彦さんの印象が強いです。
(小林大作さんも名司会者ですが)
番組の性格上、客席の年齢層は高かったです!
男女比率は3:7ぐらいかな?
番組の数十年来の大ファン、という方も多数いらっしゃったのでしょう。
「私はこの中で若い順に並んだら10位以内に入る自信があるなあ」とか思ってました。
ま、私も若くないんですけどね。
いや、でも20位以内には入れるぞ!?
なのでこのイベントにソルトさんが参加されることに、意外性を感じてました。
番組でソルトさんの曲が放送されてたのかな?
そうなら、ビートルズのカバーとかかな?
この年齢層の中でソルトさんがどんな演奏をするのか、それがどう受け止められるか、注目しました。
会場もシンフォニーホールだし、周りは先輩ばかりだし、ソルトさんの緊張度の高さは想像に難くありませんでした。
最近は緊張しすぎているソルトさんを見るのも楽しみなんです。
そこからどうやって自分の色を出していくのか・・・。
リスナー招待のこのコンサート、今年は記念すべき30回目だったそうで、応募枚数が特に多くて7832枚!倍率が9.2倍!
正直言って、出せばほとんど当たるのかなと思ってました(ごめんなさい、メモリーズ・オブ・ユー)
かなりラッキーでした。
ソルトさん以外の方のときの演奏は秋満義孝セクステットのみなさん。
秋満さんのピアノにベース、ドラムス、ギター、シンセ、フルート、サックス・・・。
もう何でも演奏できるよ、という感じ。
勉強不足で恥ずかしながら存じ上げなかったのですが、秋満義孝さんはスイングジャズの第一人者と呼ばれる方。
伊東ゆかりさんだったか、「こうして秋満さんの近くで歌わせてもらって・・・」のようなことをおっしゃってました。
秋満さんはピアノを弾きながら、時折手を離してメンバーに指揮をされていました。
(「スケッチ・オブ・ニューヨーク」のときのソルトさんのように)
「これ、『アキミッシュ・ナイト』やん!」と思いながら見てました。
バンドとソロピアノという違いはあれど。
どうしてもピアノに目が行ってしまいます。
どういう風に弾くだろう?ソルトさんとの違いは何だろう?と。
もう、職業病です(あ、私は職業じゃないですけど)
ソルトさんもきっと秋満さんのプレイに注目していたはず(ソルトさんは職業ですね)
秋満さんのピアノは本当にサラッとしていて「主役は歌い手とメンバーに任せたよ」というのが伝わってきました。
楽曲によっての楽器の配置が絶妙で、歌と共に全体としてスイングしてる、ピアノはその一部である、という・・・。
ああいう風に大きな流れで一つのものを作っていけたら気持ちいいだろうなあ、と思いました。
私ごときが『アキミッシュ・ナイト』のレポートをしてしまいました。申し訳ありません。
そうそう、我らがソルトさんです。
秋満さんとソルトさんの椅子の高さが違うらしく(どちらが高かったんだろう?そこまで見えなかった・・・)ソルトさんの出番になるたびにスタッフの男性が椅子を変えに来ました。
で、ソルトさんの演奏の間、秋満さんはピアノの後ろの客席からは見えない所で待機されてたのですよ。
(第2部のソルトコーナーのときはステージから去られましたが)
つまりソルトさんは、スイングジャズの大御所のほんの目の前でソロピアノを演奏していたことになります。
緊張しただろうな~、ソルトさん!
今度サイン会で聞いてみよっと。
<第1部>
●「Someday My Prince Will Come」(いつか王子様が)
白と黒のあらたまった衣装で登場のソルトさん。
ピンスポットを一身に浴びて弾くソロ。
場内の雰囲気が一変しました。
シンフォニーホール、さすがにいい音だと実感。
ソルトさんはときどき上を向いて、緊張をおさめようとしているのでしょうか。
ジャジー度がだんだん増してきて、たくさん刻まれる音。
遊びも出てきました。
もうソルトさんのペースに近い。
優しい音がホール隅々まで行き渡って、跳ね返ってきて、広がりを見せます。
最後はためを作りながら、余韻を残してエンド。
1回目は各出演者の顔見せ的に、1曲ずつやってMCなしでステージを去ります。
客席からは暖かい拍手。
拍手するのはうまいよ~、大阪のこの年代は。
ソルトさんに代わって登場の小林大作さんが「すごい余韻ですねえ」と。
次は出演者一人ずつを小林・桶村司会者が本人を交えてトークし、数曲披露するという構成。
ソルトさんは第2部に登場です。
<第2部>
桶村さんによって
・天才ピアニストである
・オルケスタ・デ・ラ・ルスの元メンバーで国連平和賞も受賞し、グラミー賞にノミネートもされた
・いろんなアーティストに楽曲を提供している
ことなどが紹介されました。(桶村さんもいい声です。大ベテランさん)
「ソルトさ~ん」という黄色い?声援が飛びました!
おぉ、ソルトファンも来てました。がんばってました。
私はやっぱり若い方から30番目くらいかも。
3人でのトークの話題は
・「Saltish Night」というイベントを14年も佐藤竹善さんと続けている
・ブログも続いている。カメラに凝っている。小林さんもカメラが好きなので一眼レフや魚眼レンズについて
・ローマで「坂本ローマ」の写真を撮った
・目標を尋ねられたソルトさん「いろんなアーティストと共演していきたいことと、このシンフォニーホールでオーケストラと共演してみたいですね」
・6月4日に浪切ホールでソロピアノコンサートがある
そしてソルトさんのコーナーです。
●「All The Things You Are」
気のせいかもしれませんが、なんか固かったソルトさん。
でも弾いているうちに徐々にほぐれてきました。
忙しく動く指から生み出されるたくさんの音。
この日のソルトさんはいつもよりも弾き込んでいる、音がいっぱい、という印象でした。
それに圧倒されたこともあり、客席が引き込まれていくのがよくわかりました。
右に左に流れる指。
指は客席の左半分しか見えないのですが、その美しい指の動きに目が釘付けになったよう。
(私は幸いにも指が見えました)
最後はスローになって、エンディング。
MC
・ジャズのスタンダードの曲でした。メロディックで、ハーモニーが美しくて。
・ソロのアルバム「solo piano = solo salt」というのを去年出しました(管理人注.本当はおととしです)「ソルト」と呼ばれてるんです。だから「ソルティッシュ・ナイト」なんです。「塩っぽい夜」って何だ?と思ったでしょ?
・次は「貴重なこと」を表すタイトルで、僕にとって貴重なことは音楽だということを書いた曲です。
(さすがにこの日のMCは短めでした)
●「Preciousness」
バックのライティングがとてもきれいでした。説明できませんがお許しを。
私はこの曲をライブで聞くのは久しぶりだったのですが、なんかまた、ワンランク上がったなあ、という印象を持ちました。
シンフォニーホールのせいもあるのかな。
優しい音だけど、伝わってくるものが太くなってきてる、と言いましょうか。
この人の表現力はどこまで行くのだろう。
エンディングのところのテンポはいつもより若干早めだったかな(私の気のせいかもですが)
MC
・最後にラテン調の曲を。ハーモニーがくるくる回って変わっていく曲です。
●「Ladies In Mercedes」
いつもMCで言ってる「この曲は叶姉妹のことです」を言うと客席の年齢層からしてウケたのになあと思いつつ。
回って回って、エネルギーを溜めて溜めて、それを発散するようにしてメロディに入るのが常なのですが、この日は回りつつ突然メロディへと繋がりました。
飛び出しました、跳ね出しました、ソルトさん。
私たちファンはいつも見る光景ですが、あんなにイキのいい魚みたいなピアニスト、初めて見た人が多かったのでは?
指の動きも滑らかに、右に左に。
ソルトさん、ノってます。
引き込まれる客席。
一旦ペースダウン。
高音が響いてきれいです。
また徐々に上がってきました。
流れ星が流れるように、両手が右に流れて響き渡ります。
再び回り出しました。
合間に入れる手拍子も響いてます。
回って回って、跳ねて、終わってしまいました。
大きな拍手。
ソルトさんが礼をしてステージを去ります。
代わって登場の小林・桶村両司会者。
「かっこいいですねえ~」「スタイリッシュですねえ~」「とっても繊細なピアノの音でしたね」
<アンコール>
通常のコンサートのアンコール形式ではなく、終演前に各アーティストにもう1曲披露してもらおうという趣旨の「アンコール」でした。
プログラムにも「アンコール」とハッキリ書いてましたから。
両司会者に呼び込まれて、ソルトさんはその最初に登場。
トークもMCもなしでした。
●「On Green Dolphin Street」
弾き出すと、直前までのペギー葉山さんのステージから、雰囲気はやっぱりサッと一変。
肩の力が抜けていて、ソルトさんらしい音が随所に散りばめられています。
メリハリが効いていて、心地よい~。
ソロピアノコンサートにまた行きたくなりました。
●「朧月夜」
最初にも書いたように、この曲は全員で合唱。
ソルトさんも歌詞カードを手に、参加していました。
私の個人的なことですがプライベート的に決してよくない状況でのコンサートでした。
しかし、元気をもらえました!また明日からやっていこうと。
コンサートの中でも番組リスナーさんの音楽との素晴らしい出会いのエピソードが紹介されていました。
音楽ってものすごい力があると思います。
そのような音楽、ソルトさんの音に出会えたことに感謝しつつ、シンフォニーホールを出ました。
PS.終演直後、桶村久美子さんに「オケちゃーん、オケちゃーん!」と声援が飛んでました。
そうか、オケちゃんは番組のアイドル的存在だったんだ。。
1部と2部で衣装替えしてたし。。