【Los Toreros】(「SALT III」)
1997年のアルバム「SALT III」からの曲。ライブで聴くのは私は初めてだと思う。まさかトリオで取り上げてくれるとは!このアルバムに思い入れのある身としては、嬉しい限りだった。
[ads k=p1m1]メロディーラインが美しくて、しっとり聴かせる名曲だと思う。17年前からソルトさんのテイスト・こだわりは変わっておらず、今現在のトリオのアレンジを加えても違和感がない。深みが増している。この曲の良さに再び注目する機会を与えてくれたようで、感謝したい気持ちだ。
ピアノソロから始まる。ゆったりとした流れに加わる要素は毎回フリー。音が飛んで強さも混じる日もあれば、完全に一人の世界に入ってベースとドラムがいつの間にか誘われるように、という日も。最終日は透明感があってみずみずしくて、消えそうな音もあって引き込まれた。
[ads k=p0m1]やがてベースがリズム(リフと言うべきか)を刻み出す。曲全体に流れる、基本となるリズム。初めて聴いたときはこのリズムでようやくこの曲だとわかって、「わー、これやってくれるんだー」と思った。グルーブ感と同時に曲が締まり、陽介さんの包容力が感じられた。
それに乗ってゆっくりとメロディーに入るピアノ。とつとつと語りかけるような音。さざ波のように押し寄せてくるところ(サビかな?)。いい曲だなあ、とあらためて気づかされる。
ずっと支えていたベースのリズムがしばらく前面に出てきてから、もう一度Aメロ。今度はしっとりと力強くなっている。タイトルは「闘牛士たち」という意味なのだが、何を訴えかけているのだろう。
続いて原曲ではアコースティックギターでBメロに入って、とても効いている。ライブではここもピアノで。弾いていくうちに、だんだんと艶っぽさが増して、会場全体がしっとりしてきたような感覚。高音が響いたり、ドラムの反応にハッとすることもあるのだが、なぜか切なさも感じられて、大人の世界に引き込まれる。
[ads k=p0m1]この原曲でギターのところ、ベースだったらどんな風になったのだろう?リズム担当のベースにソロも任せるのは難しいのかもしれないが、聴いてみたかった。
そして一旦静まってからピアノだけになって、少しだけ曲調が変わるパート。どう書けばいいかわからない・・・、原曲ならギターで始まってピアノがだんだん重なってきてサビに繋がるところ。ゾクゾクッときて好きなところだ。弓で弾かれるベースも入ってきて、厚みを増す。
波のようなサビ、ベースのリズム(リフ)、再びAメロへ。この一連の構成にやられてしまう。エンディングへ向けて、最後のところをリピート。繰り返しながらいろんなフレーズや装飾も混じっていく。静まったかと思えば大きくなって、また静まって。余韻を残しつつ、エンド。
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